店主はこんな人です

東京生まれ、相模原育ち。戦後ベビーブームの余韻の残る時代で、公共図書館というものは高校生になって杉並に引っ越すまで知らなかった。

 

福音館の「こどものとも」発刊間もない頃だったので、毎月1冊づつ本を買い与える方針のもの、大の本好きに育つ。最初の愛読書は「てんぐのこま」子どもの頃の最初の夢は「大きくなったら本屋さん」。

小学3年で母に連れられて訪ねた石井桃子さんの「かつら文庫」にいたく惚れ込み、相模原から毎週通いたいとがんばったが、流石に許されず、自宅近くの「うさぎ文庫」を紹介されて通い出す。

その間にも毎月1冊づつ増えていく本はドリトル先生シリーズ、メアリー・ポピンズ、アーサー・ランサム、ナルニアと揃っていき、「岩波信仰」はこの頃培われたものと思われる。夢は「いつか文庫をやること」になり、6年の時にはクラスの半数以上の友人に、ナルニアシリーズを貸し出すという偉業(?)を遂げた。

 

大学卒業後のコンパで、たまたま同じランサム好きの後輩に文庫をやりたい話をすると、なんと、彼の知り合いに家庭文庫をやっている人がいるというではないか!早速紹介してもらい、毎週水曜の午後、船橋の「ふじい文庫」まで2年間通って修業を積み、ストーリー・テリングを始めた。

その後、紆余曲折があったが、子どもに素話を語る機会が作れそうだという邪な考えで保育園の調理師として勤め、2016年3月の定年まで

働く。その間、職場や子どもの通う小学校などで素話を続ける傍ら、2000年11月に念願の家庭文庫を開く。又、市内で語り手を増やすために、素話のサークル「おはなしのなかま ミヨっこどん」を始め、活動している。

 

めったにないことだが、休みの日に日常から離れて、喫茶店でゆっくり本を読むのが幸せだった。時間が惜しいので美味しい食事とお茶があるのが最高!ブックカフェも増えて来たが、「おしゃれな食事」を出す所はあってもお腹も心も満足できる所は中々ない。それなら作ってしまおう!ということでできたのが、この店なのだ。